
「これさえあれば、暮らしが良くなる」──そう思って迎えたモノほど、意外と出番が少ないことはありませんか。
私も同じでした。
ソファ、ベッド、加湿器、最新スマホ。振り返ると、この十数年で100万円以上は使いすぎたと思います。
けれど、その遠回りが、私に“本当に必要なものを選ぶ力”を育ててくれました。
ここでは、私が本当に失敗した6つを正直に挙げ、そこからの気づきと学びをお伝えします。
もし今、買うか迷っているなら──少しだけ、一緒に立ち止まってみませんか。
買って失敗したもの① ソファー ― 癒しより現実が勝った
要点:「置けるか」ではなく「運用できるか」で選ぶと、後悔はほぼ消える。
仕事帰りにどっと倒れ込み、心も体も癒してくれるはずだったソファ。
恋人とまったり過ごす時間を想像しながら選んだのに、実際はまったく違いました。
部屋が狭くなり、一年も経つと裏側にはカビ、床にはほこり。
きっかけは引っ越し見積もりのとき。
ソファ分だけで数万円の追加料金。
処分費やスペースを考えると、“置いておくだけでお金が出ていく”現実を突きつけられました。
処分してはじめて「自分が求めていたのは“癒しの家具”じゃなくて、心が軽くなる空間だったんだ」と気づきました。
今は、長時間座っても疲れないオフィスチェアを使っています。
掃除も簡単で、必要なときにだけ引き寄せて座る。
そんな自由さが、自分にはちょうどよかったのです。
買って失敗したもの② ベッド ― 快適さよりも“だらける誘惑”
要点:横になりやすさは快適であり、一方で行動を止める誘惑にもなる。
1人暮らしで最初に買った大きな家具がベッドでした。
「ベッドのある部屋は大人っぽくていい」──そんな満足感がありました。
けれど、実際に使ってみると、思っていた“快適な生活”とは少し違ったのです。
引っ越すたびに分解と組み立てを繰り返し、追加費用もかかる。
そして何より、ついベッドに寝転んでしまい、気づけば何時間も過ぎていました。
疲れを癒すはずのベッドが、いつの間にか「動けなくなる場所」となっていて、だらだらしたいという誘惑に負ける自分。
思い切ってベッドを手放し、今は布団+すのこ+除湿シートに変えました。
朝起きたら布団をたたみ、横になる空間がないだけで気持ちが切り替わる。
夜はその分“休むこと”を大切な時間と感じられるようになりました。
ベッドをなくしたことで、生活リズムが自然に整っていく。
そして何より、“だらける時間”が減るだけで、気持ちが少し前向きになった気がしました。
買って失敗したもの③ 大きな机 ― 広さ=効率ではなかった
要点:広さは散らかる余地も広げる。必要最小の幅が集中を生む。
机と本棚、植木鉢など、デスクでまとめられたら素敵な空間になるのでは。
そんな思いで買ったのが大型のデスクでした。
「これでドラマのような空間を演出できる」と喜んで購入しました。
けれど数ヶ月経つころには、デスクは物でいっぱいに。
見栄えを良くするには?と考える分、時間を浪費していきました。
さらに、引っ越しのときに分解と再組立が必要になり、運搬費もかさむ。
この大きな机は、私に「便利さ」よりも「制約」を与えている存在かもしれない、と気づきました。
今は、幅の小さいコンパクトなデスクに変えました。
必要なものだけを置けるサイズだから、自然と机の上も整う。
大きな机を手放して気づいたのは、“広さ”が整理や効率を生むわけではないということ。
むしろ、限られたスペースの中で考えたほうが、良い考えや本当に必要なものを選び抜く力が鍛えられたと感じました。
買って失敗したもの④ 空気清浄機 ― 「必要そう」に感じただけだった
要点:“必要そう”は理由にならない。続ける根拠が言葉にできるか。
「これを置けば、空気がキレイになって健康にもいいはず」──そう思って、ほとんど迷わず買った空気清浄機。
けれど、使ってはみたものの違いがわからない。
フィルターの掃除や交換は手間がかかるし、動いている音は生活のノイズになっていました。
もともとアレルギー体質ではなく、ペットもいない。
“必要そうだから”という曖昧な理由で、いつの間にか空間を占領していたのです。
いつしか使わないままホコリをかぶり、部屋の隅にポツンとあるだけ。
「これ、本当に自分の暮らしに必要だったのかな」と自問しました。
皮肉な話だけど、清浄機がない今のほうが、心がすっきりしているのです。
何に必要だから買うのか──。
おそらく“自分の生活を良くしたい”という気持ちが、違う形で出ていたのかもしれません。
買って失敗したもの⑤ 加湿器 ― “優しさ”のつもりが手間に変わった
要点:道具より習慣。維持できない加湿は、静かな負債になる。
乾燥肌の私は、「加湿器があれば肌にも喉にも良さそう」と購入。
部屋に広がるやわらかいミストを想像すると、それだけで安心できる気がしました。
けれど、現実はちょっと違いました。
湿度を見てもほとんど変わらず、手間がかかるうちに放置することもしばしば。
数週間後、掃除を怠ったままのタンクにぬめりとカビ臭さが。
「これじゃカビをばらまいているのと同じだ」と。
私は“物に頼る”ばかりで、“自分をいたわる習慣”を忘れていたのです。
それからは、自然気化式の「ミスティーガーデン」を使っています。
電気を使わず、静かに水を吸い上げて蒸発させる。
まるで小さな植物を育てるようで、目にも心にもやさしい存在。
加湿器を通して気づいたのは、正解の家電なんて、人の数だけ違うということ。
同じものを使っても、暮らし方や性格が違えば“ちょうどいい”は変わる。
だからこそ、便利さよりも“続けられる心地よさ”を大切にしたい。
買って失敗したもの⑥ 最新のもの ― 「新しさ」=「必要」ではなかった
要点:スペックは上がっても、暮らしは多くの場合ほとんど変わらない。
スマホやパソコンの新モデルが発表されるたびに、気になってました。
今より速く、軽く、カメラも綺麗に──
そんなコピーを見聞きすると、 “これを持てば、もっと快適になる”と思っていました。
けれど、買い替えを繰り返すうちに、気づきました。
使っているアプリも、使い方も、結局ほとんど同じ。
なのに、支払う金額だけがどんどん増えていく。
最新のスマホを手にした瞬間はワクワクします。
けれど、その高揚感は一週間もすれば薄れていく。
“便利になったはず”なのに、快適に感じない──
そんな違和感だけが募りました。
性能の高さやブランド名に、「これで正解」と、自分に言い聞かせていただけかもしれません。
今は、2〜3世代前の中古スマホを使っていますが、何の不自由もありません。
“最新”を追うことに疲れていた私が、ようやく「今」を大事にできるようになった。
それだけで、時間もお金も、心まで穏やかになりました。
新しさを追うより、自分の暮らしを追いたい。
買う前の3つの質問 ― 「欲しい」より「続けられるか」で考える
要点:“欲しい”より“続けられるか”。3つの問いで選択の精度を上げる。
何かを買う前にワクワクする気持ちは、よくわかります。
けれど、その思いだけで決めると、あとで後悔が積み重なることに。
そんな中で見つけたのが、この「3つの質問」。
これを自分に問いかけるようになってから、無駄な買い物がかなり減ったと感じています。
❓質問①:このアイテムを置くスペースはある?
広い部屋に憧れるほど、固定費(家賃)は増えていきます。
その1㎡のために毎月いくら払っているのか──意識してみると、置くことと維持することの間に疑問が見えてくることがあります。
❓質問②:掃除や手入れを続けられる?
家具や家電は、買ったあとに時間を奪う存在にもなります。
フィルター交換、通気、ほこりの掃除。
その小さな積み重ねが、意外と負担になることも。
❓質問③:どれくらいの頻度で使う?
「毎日触れるもの」と「月に一度しか出番のないもの」では、重みがまったく違います。
使う頻度をざっくり思い浮かべてみるだけで、そのモノの位置づけが少し変わって見えることがあります。
まとめ ― 「使わなくなった」は、失敗じゃない
これまで、ソファーやベッド、大きな机など、たくさんのものを選んで、そして手放してきました。
どれも当時の自分には必要だと思って買ったものです。
けれど、あとになって手放すことは、“失敗”とは思っていません。
暮らしの中でモノと向き合う時間が続くと、何が心地よくて、何が負担になるのかが少しずつ見えてきたからです。
その積み重ねが、自分に合う選び方をゆっくり形づくっていったのです。
“使わなくなったモノ”は、過去の自分が大切だと思った証。
そこに後悔があったとしても、次の選択に影響を与えてくれた存在でもあります。
買い物でつまずいた経験さえ、暮らしを整える一部になっていく。
そう受け取れるようになってから、選ぶことが少しだけ楽になりました。
🌱モノ選びの基準が見えてくると、「実は手放しても困らない出費」も少しずつ見えてきます。
私が実際にやめて、お金と心が同時に軽くなった支出については、こちらでまとめています。
📄 免責的注記
※本記事は筆者の体験に基づく一般的な内容です。
特定の投資行動を推奨するものではなく、あくまで「考え方の一例」としてご参考ください。
※また、効果や結果は個人差があり、特定の結果を保証するものではありません。

