
「給料日前になると通帳の残高を見るのが辛い」──
かつての私は、いつもそう感じていました。
収入が少ないから貯金できないと思い込んでいたのです。
けれど実際は、“お金の使い方”こそが貯まる人との分かれ道でした。
私が貯金できるようになったきっかけは、毎月の生活でなんとなく続けていた8つの出費をやめたこと。
やめた瞬間から大きく変わったわけではありません。
けれど、半年、1年と経つうちに、自然とお金が残り、心にも余裕が生まれていきました。
この記事では、浪費家だった私が実際に「やめて効果があった8つの出費」と、そこから得た気づきを、公的データや体験を交えてお伝えします。
1. 不要な保険を整理した|“安心”より“仕組み”を信じる
「保険に入っておけば安心」──
そう信じていた時期がありました。
医療・がん・終身・年金……気づけば毎月4万円以上が保険料に消えていたのです。
公益財団法人 生命保険文化センターの調査によると、日本人の約8割がなんらかの生命保険に加入しています(2022年度調査)。
公益財団法人生命保険文化センター より引用
この数字を見ても、私だけが特別ではなかったと。
入院や手術は確かに突然起こりますが、日本には「高額療養費制度」という強力な公的保障があります。
たとえば100万円の手術をしても、自己負担は数万円で済むケースが多いでしょう。
私もこの制度を知ってから、「保険に入る安心」より「公的保障を理解する安心」の方が大切だと気づきました。
かつて私も医療保険に加入していましたが、3回の入院・手術のうち1回は約款の条件外とされ、保険金を受け取れませんでした。
いざという時に使えない保険ほど無意味なものはありません。
その経験をきっかけに、私は保険を“見直す”という選択をしました。
毎月4万円の保険料を貯蓄用口座に回した結果、1年後には48万円が残りました。
保険は“誰かに任せる安心”、貯蓄は“自分で守る安心”。
今なら、どちらを選ぶべきか迷うことはありません。
2. スマホを三大キャリアのまま使い続けていた|“なんとなく”をやめたら1年で10万円浮いた
スマホは生活に欠かせない存在。
だからこそ、契約内容を見直すだけで固定費を大幅に減らすチャンスがあります。
私は以前、長年三大キャリアを利用していて、通信費は月1万円前後。
それが当たり前だと思っていました。
思い切って楽天モバイルに乗り換えたところ、通信品質は問題なし。
私の利用状況では月1,000円前後に収まり、結果として年間で約10万円削減できました(通信量やキャンペーンにより個人差あり)。
総務省の家計調査(2023年)によると、通信費は2人以上世帯の平均月額約1万3,000円。
光熱費や食費に次ぐ大きな固定費です。
格安SIMに変えるだけで、毎月8,000円の節約。
10年続ければ96万円の差になります。
“契約を変えるだけ”で得られるこの効果は、私にとって家計の“転換点”でした。
3. ブランド品を買わなくなった|“見栄の出費”をやめて心が軽くなった

「頑張ったご褒美に」──
そう言い訳をして、私はブランド品を次々に買っていました。
高級時計、スーツ、財布。買った瞬間は満たされても、1カ月も経たないうちに飽きていたのです。
心理学では、人は「所有」より「経験」にお金を使った方が幸福感が長続きすることが分かっています。
(参考:Leaf Van Boven & Thomas Gilovich, Journal of Personality and Social Psychology, 2003)
20代後半〜30代にかけて、私はブランド品に約400万円を使いました。
もしそのお金を年5%で25年間運用していたら、今ごろ約1,290万円になっていた計算です。
野村アセットマネジメント より引用
数字で見ると、“見栄”に払った代償の大きさを痛感します。
ブランド品をやめたことで、心が驚くほど軽くなりました。
もう他人の目を気にせず、自分の価値観で選べる。
「欲しい」を我慢したのではなく、「いらない」に気づけた。
これが浪費家を卒業する第一歩でした。
4. コンビニに寄る習慣をやめた|“便利”の裏にある無意識の浪費
通勤途中にほぼ毎日コンビニへ寄っていました。
コーヒー、スイーツ、ちょっとしたお菓子……。
1回あたり数百円でも、積み重ねると月1万円を超えていました。
コンビニの照明・陳列・レジ前の配置はすべて心理的に設計されています。
「つい買ってしまう」のは意志の弱さではなく仕組みなのです。
- 無意識の支出が減った
- 朝の準備時間が短くなった
- 自分で淹れるお茶の味を楽しめるようになった
前日の夜にペットボトルへお茶を入れて冷蔵庫に用意。
「寄らない仕組み」を作れば、意思に頼らず続けられます。
1年間続けるだけで約12万円の節約効果。便利さを手放した代わりに、心の余白を手に入れました。
5. 小さな習慣を変えたら、心まで軽くなった

毎朝の缶コーヒー。
1本110円──
たったそれだけと思っていました。
けれど毎平日2本×22日=月4,840円、年間で約5万8,000円。たかが缶コーヒーが、旅行代になっていたのです。
お気に入りのマグカップを買い、朝にドリップコーヒーを淹れるようにしました。
「飲みたい」ではなく「淹れる時間が楽しみ」になり、節約が“心地よい習慣”へ変わりました。
家計簿アプリに「コーヒー」タグを作ると支出が見える化され、自然と抑制効果が生まれます。
節約というより、自分の時間を取り戻す行為になりました。
6. 飲み会を減らした|“付き合い”を見直す勇気
会社員同士の付き合いで月3〜4回の飲み会に参加。
1回5,000円で年間約20万円。
家計を圧迫していたのはお酒よりも「断れない自分」でした。
飲み会を減らして初めて、「本当に会いたい人」と「惰性の関係」が分かるように。
次のように伝えると角が立たないでしょう。

今月は家計の見直し期間で外食を控えています。
今日は予定があり難しいです。
ランチならぜひ!
飲み会を減らしたことで、年間約15万円が浮きました。
「お金が貯まる人」は、実は“誰と過ごすかを選べる人”。
そう実感しています。
7. ATM手数料を払わなくなった|“たった数百円”が積み重なる恐ろしさ

「たった220円だから」──
それを週2回。
結果、1年間で約2万3,000円の手数料を払っていました。
金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査』では、貯蓄ゼロ世帯が約2割とされています。
こうした少額出費の積み重ねが家計をむしばみます。
SBI新生銀行と楽天銀行を併用し、給与口座から自動で資金を移す仕組みを作っただけで手数料ゼロに。
今はその分を投資信託に回しています。
8. 最新スマホを追いかけるのをやめた|“見栄”からの卒業
新型iPhoneが出るたびに買い替えていましたが、前の機種も普通に使える。
性能差より、使い方のほうが大事だと気づきました。
最新機種18万円・中古2年落ち7万円。差は11万円、5年で33万円の違い。
中古購入時は、
を選ぶと安心です。
“物欲を我慢する”のではなく、“本当に必要な理由”を問い直す。
それが、浪費家を抜け出す最大のきっかけでした。
まとめ|浪費を減らすことは、自分を大切にすること
やめた8つの出費はすべて「不安」や「見栄」から生まれていたものでした。
やめたおかげで1年で50万円以上が手元に残り、それを積立NISAや貯蓄に回すことで“お金が貯まる仕組み”が自然にできました。
JUST KEEP SAVING──
習慣を変える力が、あなたの未来を静かに変えていきます。
浪費を減らすことは我慢ではなく「選択の自由」を取り戻すこと。
そしてその自由こそ、人生で最も大きな資産です。
小さな「やめる」を積み重ねてきたあなたなら、次の一歩もきっと踏み出せます。
無駄な支出を手放して心とお金に余裕が生まれたら、次は“増やす力”を育てる番です。
投資も、続ける力があれば必ず未来は変わります。
🌿ムダな出費を手放してお金と心の余裕が生まれたら、「次はどう増やしていくか」がテーマになります。
投資が怖くても、仕組みさえ整えればコツコツ続けていける──そんな考え方をまとめた記事はこちらです。
📄 免責的注記
※本記事は筆者の体験に基づく一般的な内容です。
特定の投資行動を推奨するものではなく、あくまで「考え方の一例」としてご参考ください。


