
「頑張って働いているのに、なぜかお金が残らない。」
20代のころから、ずっとその繰り返しでした。
真面目に仕事もしていたし、浪費しているつもりはありませんでした。
それでも月末になると残高はギリギリ。ボーナスが入っても、気づけば消えている。
「自分の稼いだお金だから、好きに使っていい」
そう思っていたのに、どこか満たされない日が続きました。
お金がないことよりも辛かったのは、“頑張っているのに変わらない自分”でした。
今思えば、私は“お金そのもの”ではなく、「心の不安」とどう向き合えばいいかを知らなかったのだと思います。
① 貯金できない背景には、気持ちの満たし方が関係していた
若いころの私は、「お金を使えば満たされる」という感覚に陥っていました。
家賃や車の維持費、交際費など、手元にほとんど残りませんでした。
通帳の残高が少なくても、不安より“満たされている気分”の方が強かったのを今でも覚えています。
ブランド物を買ったり、新しい車に乗ったりすると、「自分は豊かな人生を送っている」と思えたからです。
けれど本当は、孤独や不安を埋めようとしていただけでした。
お金を使うことで、“強い自分”を演じようとしていただけかもしれません。
振り返ると、あのころのお金の使い方は「楽しむため」ではなく、「誰かに認めてほしい気持ち」の表れだったのだと思います。
貯金ができなかったのは意志が弱いからではなく、心を守るための自然な反応だったのだと、今では感じているのです。
② 自分と向き合うきっかけになった出来事

ある日、当時の彼女に「結婚資金って、どうするの?」と聞かれた瞬間、何も答えられませんでした。
その沈黙が、自分の中で大きな後悔と焦りを引き起こしました。
「このままじゃ、誰も幸せにできないかもしれない」
そんな思いで胸がいっぱいに。
さらに仕事のストレスから体を壊し、数週間入院をした時のこと。
ベッドの上で通帳を開いたとき、そこで見た数字に、自分の現実を思い知りました。
不安が胸いっぱいに広がり、息がつまるような感覚に。
そして、やっと気づきました。
「変わりたいと思いながら、どこかで自分に甘えていた」ことに。
そこから私は、まず“現状を把握すること”から始めました。
家計簿をつけてみると、思い出せない支出が意外に多いことに気づき、心の不安定さが数字に表れているように感じました。
「まずは、自分がどんな気持ちでお金と向き合っていたのかを知る必要がある」——そう思うようになった出来事でした。
③ 少しずつ心が整っていったプロセス
現実と向き合い始めてから、私の中でゆっくりと意識が変わりました。
1️⃣ 「お金の使い方には感情が反映される」
使い方を振り返ると、そのときの心の状態が見えてくる。
2️⃣ 「安心したい気持ちは悪いことではない」
感情を否定せず、まずは受け止める。
3️⃣ 「自分のペースを大切にしていい」
誰かと比べず、自分が心地よく続けられる距離感を探す。
この3つを意識するようになってから、お金との距離感が少しずつ変わっていきました。
気づけば「お金を使って安心を得る自分」から、「お金と丁寧に向き合える自分」に変わっていった気がしました。
お金と向き合うと、心の在り方が変わる

以前の私は、貯金を“我慢の象徴”のように感じていました。
思えば、貯金は自分を縛る行為ではなく、自分の未来を作る大切なプロセスだったのだと。
お金の安心感は、数字そのものではなく“心の整い方”で変わります。
あの頃は、見栄や比較に踊らされていたことが多々ありました。
けれど、お金との向き合い方が変わると、他人のペースに左右されにくくなっていく感覚がありました。
「自分には自分のリズムがある」という思考になれたのは、心の変化が大きかったと思っています。
まとめ:貯金は「心を取り戻すプロセス」だった
貯金ができない時期があったとしても、それは意志が弱いからではありません。
私も、不安や孤独を抱えたとき、その気持ちのまま動いてしまうことが多々ありました。
お金と向き合う過程で、自分の中の「大切にしたい感情」に気づくことができる。
それは小さな一歩かもしれませんが、確かな変化の始まりでしょう。
この記事が、同じ悩みを抱えている人の気づきの整理になればうれしいです。
貯金は、我慢ではなく「自分を丁寧に扱う時間」。
心の声に耳を傾けることから、少しずつ変化が始まりまるでしょう。
💬貯金が続かない背景には、意外と気づかない“思考のクセ”が潜んでいる。
その具体例をまとめた記事はこちら。
📄 免責的注記
※本記事は筆者の体験に基づく一般的な内容です。
特定の行動を推奨するものではなく、あくまで「考え方の一例」としてご参考ください。

