積立投資のゴールはいくら?必要資産の目安と考え方

朝の光の中、自分のペースでゴールへ向かって進む人物を描いたイメージ。積み立て投資を続けて自分らしい目標を達成することをテーマにしたアイキャッチ。 投資・資産運用
積立投資のゴールをイメージした図

「積立投資を続けているけれど、結局いくら貯めればいいの?」と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。

投資をしている人なら誰もが一度は思い悩むでしょう。

順調に資産が増えてきたとしてもゴールが見えないとモチベーションが続きませんよね。

結論は「答えはない」です。

ゴールは、自分の価値観や生活スタイル、年齢などによって変わるため、明確な基準はないのです。

ですが、答えがない疑問だからこそ、自分なりのゴールを設定しておくことがとても重要です。

ゴールがある人は、将来の不安を解消したうえで、豊かな人生を送ることができるからです。

この記事では、積立投資のゴールをどうように決めるのか、その必要額の目安と考え方について解説しますので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

積立投資のゴールの決め方とは

積立投資で達成すべきゴールを考える様子を描いたイメージ。目的を明確にして資産形成を続ける重要性を表現。

いくらまで貯めればよいのかは人それぞれですが、参考となる考え方はいくつかあるので紹介します。

決め方は次の通りです。

積立投資のゴールの決め方
  1. 年間生活費から逆算する
  2. コーストFIREを目指す
  3. 3,000万円・5,000万円のラインを意識する
  4. 新NISAを満額活用する

これによって今後の資産形成の参考と自分が望むライフスタイルを達成することにつながるでしょう。

それぞれ解説します。

年間生活費から逆算する

年間生活費から必要資産額を逆算するイメージ。

もっともシンプルな考え方は、自分の年間生活費を基準にする方法です。

その年間生活費を25倍した金額があれば、資産の運用益だけで今まで通りの生活が維持できるでしょう。

年間生活費 × 25倍 = 目安資産(4%ルール)

たとえば、年間300万円が必要な人は7,500万円ということです。

これは米国のFIRE研究から広まった考え方で、「資産を年4%ずつ取り崩しても、長期的には資産が枯渇しにくい」との調査結果から導き出されました。

家計簿を付けて支出を可視化する

ゴールを決めるために「自分がいくらの生活費で暮らしているか」を把握することが欠かせません。

そのために役立つのが”家計簿を付けること”です。

何にいくら使っているのかを可視化できれば、自分にとっての「豊かに暮らすために必要な生活費」が数字で見えてきます。

これは積立投資のゴール設定において、もっとも具体的かつ現実的な金額の決め方です。

ただし、中には

めんどくさがりの人
めんどくさがりの人

家計簿は面倒

続かない人
続かない人

続けられない

と感じる人もいるでしょう。

そうした場合は、家計簿アプリや銀行口座・クレジットカードと連携できるサービスを活用するのがおすすめです。

自動で支出を分類してくれるので、手間をかけずに生活費を把握できるでしょう。

統計データから生活費の目安を知る

「まだ家計簿をつけていない」「まずは平均的な金額を知りたい」という方は、統計データを参考にするのも一つの方法です。

2024年の総務省の「家計調査」によると、平均的な生活費は次のようになっています。

もちろん地域差やライフスタイルによって変わりますが、まずはこの金額をベースに「自分の生活に必要なお金」を考えると、ゴールの目安を立てやすくなるでしょう。

コーストFIREの金額

コーストFIREの考え方を視覚的に表すイメージ。早期に投資を始めて将来の自立を目指すライフスタイルを表現。

「アーリーリタイアまでは考えていないけど、早めに安心感を得たい」という人にはコーストFIRE の基準も参考になります。

コーストFIREとは、ある程度の資産を築ければ、その後は追加投資をしなくても複利の力だけで老後資金を確保できる状態のことです。

目安として、老後資金として65歳で5,000万円が必要だとします。

年利6%で運用すると仮定した年齢ごとの必要資産は次の通りです。

  • 30歳(残り35年運用):約650万円
  • 40歳(残り25年運用):約1,165万円
  • 50歳(残り15年運用):約2,086万円
  • 60歳(残り5年運用):約3,736万円

“30歳で650万円投資できていれば十分”と考えると、複利の力の偉大さを実感せずにはいられませんよね。

この水準に到達すれば、「あとは資産が働いてくれる」という精神的な安心感が得られます。

コーストFIREが基準となる理由

コーストFIREを基準とするメリットは、「若いうちから無理に投資資金を積み上げなくてもいい」という自由にあります。

先ほどの例ですと、30歳で650万円を投資運用できていれば、以後の収入は自己投資や趣味、旅行など「今を楽しむためのお金」に回すことができます。

お金の価値は若ければ若いほど引き出しやすいですからね。

また、精神的にも「資産形成のゴールが見えた」という安心感が得られることで会社の人間関係や生活ストレスも大きく減るでしょう。

つまり、コーストFIREは「人生の早い段階でゴールの目処を立てられる」ことが最大のメリットです。

アーリーリタイアが目標の人以外は、目指しやすい資産額として、多くの人に有効な指標となるでしょう。

3,000万円・5,000万円のラインを意識する

資産運用をしていれば一度は聞いたことがあるよく使われる資産ラインがあります。

それが、3,000万円と5,000万円です。

  • 3,000万円(アッパーマス層)・・資産形成の中間ゴール。精神的な余裕が出てきて、「お金に困らない暮らし」が見えてくる。
  • 5,000万円(準富裕層)・・働き方を柔軟に選べるレベル。セミリタイアや仕事の選択肢が広がり、生活の自由度が高まる。

それぞれ年利5%~7%で資産が増え続けるとしたら、その利益から得られる生活の安心感は大きいでしょう。

年利7%で見てみてと、3,000万円で年間210万円、5,000で350万円の生活費が手に入るのです。

家賃や食費、水道光熱費などを負担してくれる働き手が一人増えるという感じで、生活がグッと楽になりますよね。

本気で資産形成を目指したいという人の基準となるでしょう。

時間の価値を再認識できる

積立投資のゴールを考える上で大切なのは、「お金の数字」だけでなく、その先にある時間の使い方でしょう

経済的な安心が得られれば、仕事に費やす時間を減らし、より自由に人生をデザインできるようになるからです。

日本人の平均年収から考える現実

国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は約460万円です。

さらに、年収400万円以下の人が全体の50%以上を占めていることもわかっています。

つまり、多くの人はフルタイムで働き続けても、年収400万〜500万円程度が標準的な水準ということです。

この事実を踏まえると、資産運用によって“働かなくても年収の半分以上を得られる”可能性があることがいかに優れた資産なのかが理解できるでしょう。

お金よりも時間の方が価値が高い

ここで改めて考えたいのは、「お金と時間の価値」です。

本来お金よりも時間の方が価値が高いはずです。

しかし現実には、生活のために自分の時間を差し出し、お金に変えています。

もし資産から安定的な収入が得られるようになれば、「お金のために時間を切り売りする」生き方から解放される可能性が広がりますよね。

FIREやサイドFIREで自由な時間を作る

資産形成が進めば、働き方の選択肢が大きく広がります。

働き方の選択肢
  • 週5勤務を週4日に減らして自由な時間を増やす
  • 本業を続けつつ、好きなことを仕事にする「サイドFIRE」を目指す

いずれの形でも、嫌な仕事に縛られるのではなく、「自分が本当にやりたいことに時間を使える」生き方が可能になります。

資産形成のゴールを考えることは、単にお金の問題ではなく、自分の人生の時間をどうデザインするかというテーマにつながっているのです。

新NISAを満額活用する

新NISA制度を活用して積立投資を行う様子を描いたイメージ。

2024年からスタートした新NISAは、非課税で最大1,800万円まで投資できる制度です。

毎月コツコツと積み立てを続け、満額まで投資できれば、それだけでゴールに近づけるでしょう。

  • 毎月5万円積立 → 約30年で最大の1,800万円到達
  • 年利5%運用なら → 約4,000万円に成長

つまり、新NISAを使い切ること自体が、積立投資における明確なマイルストーンといえるでしょう。

月額別シミュレーションから見る資産形成の未来(年利5%想定)

積立投資を始めるときに多くの人が

資産運用したい人
資産運用したい人

毎月いくら積み立てれば、将来いくらになるのか?

と気になるでしょう。

参考までに新NISA枠を満額を活用した場合の皮算用は次のようになります。

新NISAの年間投資枠を月5万円・10万円・15万円・30万円で満額活用した場合の資産形成シミュレーション表。積立期間と年利5%でいくらになっているか資産額を比較。

ここでは、年利5%で運用した場合のシミュレーション を月5万円・10万円・15万円・30万円の4パターンで比較しました。

将来の資産形成の目安を具体的に知ることで、自分に合った積立額の参考となるでしょう。

毎月5万円を積み立てた場合

比較的無理のない金額でも、新NISAの非課税枠(1,800万円)を満額活用するために30年間続ければ約4,000万円に到達します。

老後資金をしっかり準備しつつ、ゆとりある生活を実現できる金額といえるでしょう。

毎月10万円を積み立てた場合

20年で約3,300万円、30年で約5,500万円に成長します。

資産が数千万円に到達するタイミングが早いため、「コーストFIRE」を実現できる時期が早まるのが大きなメリットです。

働きながらも安心感を持ちつつ、安定と自由の両立を目指したい人に最適なラインと言えるでしょう。

毎月30万円を積み立てた場合

世帯収入が高い人や夫婦いずれも正社員フルタイム働いている人の場合、30万円の積み立ても現実的でしょう。

30年間で約7,000万円になりますが、この金額は「FIRE(経済的自立と早期リタイア)」を現実的に検討できるレベルの資産を築けています。

人生を豊かに過ごすための「選択肢」が大いに広がりますよね。

生活防衛資金は別に用意する

最後に欠かせない考え方として、生活防衛資金は運用資金とは別に確保しておきましょう

投資は基本的に長期で行うことから、その間に市場が暴落することもあるでしょう。

そのような時に生活費を投資資産から取り崩そうとすると、資産が大幅に減り、市場回復の恩恵を受けにくくなってしまいます。

そこで役立つのが生活防衛資金です。

日々の生活費を一定期間まかなえる現金を確保しておけば、暴落時でも投資資産を売らずに済み、市場の回復を冷静に待つことができます。

「運用資金」と「生活防衛資金」を分けて管理することは、積立投資を続ける精神的な安定をもたらします。

まとめ

積立投資のゴールはいくらなのか、必要資産の目安と考え方について解説しましたが、参考になれば嬉しいです。

結論として、積立投資のゴールは人それぞれ違います。

「結局いくら必要か?」の答えは、自分の生活費とライフプランを基準に決めるです。

数字の目安を参考にしつつ、自分が目指したいゴールが定まったら、目標達成までコツコツと積立を続けていくことで達成できます。

自分が望む価値観や生活スタイルを見つけ、豊かな生活がおくれるように一緒に頑張っていきましょう。

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